ギターピックで音は変わるのか?

大雑把に答えると、演奏家としてはYes、エンジニアとしては全くとは言えないがたいして変わらないが自分なりの答えである。音の種類を大きく変えたいのであれば、やはり、マイクの種類、もっと言えば楽器そのもの(アコギであればボディーの大きさ、板の種類)を変えた方が違いは出やすい。


しかし、制作、録音において軽視はできない部分だと思う。基本的に、同じピックの方が弾き慣れれば楽なのだが、ギタリストとして「細かい」要求に答えられるようになりたい人には是非、色んなピックを試してもらいたい。


音色そのものはたいして変わらないが、どういう演奏にリズム楽器としての「安定感」を与えるか、研究してみる価値はある。また、アタック、サステインが、シンセサイザーのツマミではなく、ピックで変えられるというのはギターという楽器の面白さの一つだと思う。どういう楽曲に、どういうピックがふさわしいか、年数はかかるが経験を積んで使い分けられれば面白い。


アタック、サステインは演奏の印象をかなり決定してしまうと思う。リバーブのついたアンプを持って行く、PAからいい感じのリバーブを出してもらう、リバーブをセンド/リターンで送る。これでいい雰囲気を作る事は勿論出来るが、ドライな状態で裸のときに聴いたときに安定感があってこそのエンジニアリング、機材だと思う。


音の比較はこちら。

https://soundcloud.com/ayako-yamauchi/guitar-pick-test


使用ピックは4種類。
1. Jim Dunlop黄色、X-H
2. Dunlop Jake E Lee ツアーモデル。1より少し薄め。簡単に曲がらないので恐らくheavyあたり。
3.Jim Dunlop 1.5mm紫 ナイロン製
4.HISTORY Medium (島村楽器




考察
1.アルペジオストローク、ともに無難 
2.アルペジオでは強拍と弱拍に差が出やすい。強拍のアタックはブライトでクッキリと聴こええるが、弱拍はそれだけ聞いていれば聴き辛い人もいるかもしれないが、音楽的には強拍が聴こえる事で損はないと思う。ストロークも良好
3.アタック音が丸く、サステインが長く聴こえる。アルペジオの録音で、テンポが遅い曲などに最適だと思うが、テンポの早い曲のストロークは慣れないと弾き辛そうだ。暖かみのある音が欲しい時には最高。ただし、アタック音がブライトに聴こえないため、弾いている位置からだとタイミングが取り辛い。ヘッドホンでしっかりモニターすれば、録音では失敗がない。弾き慣れていないからか、録音せずにただ弾いているだけだと、かすっているような音に聴こえる。
4. 経済的理由で三角ピックにしてからずっとこれを使っている。アルペジオはまだ良好だが、サステイン感はあまりない。ストロークはそこまでブライトでないため、気を抜くとテンポに遅れそうになる。ピックの角度はティアドロップの方があてやすい。薄い三角の大型ピックのしなるタイプであればストロークでは音の種類は違うが、そちらの方が合っているのではないかと思う。