マスタリングの機材 (Berklee studio G)

折角なので、バークリーのマスタリングの
スタジオで使っていた機材、
主にエフェクターについて書いておこうと思います。

基本セッティングは

Pro Tools(マスター前の2mix)→
weissEQ→weissDS1(compressor)→
STC8(compressor)→NSEQ→
TCsystem6000(主にlimiter, Reverb, 更にEQをかけたいとき)

が多いのですが、時と場合によって順番は変わります。
当然、順序を代えてみたりして聞き比べをしてから
順序は決まります。


最初はリミッターの設定から。

TC system 6000

TC system 6000についているLimiterはなかなか
よいです。L2(Waves)もスタジオにあるのですが、
L2のクセでLowにかかりやすくなるので、殆ど
L2は使いません。普通に家でミキシング用のスピーカー
で聞いたら、ウーハーを使わない限り人に寄っては
気がつきにくいみたいなのですが、危険です。
Lowが強い音源をi podで小さいイヤホンなんかで
聴いたらぶっ壊れるんじゃないですかね(笑)。
決していい音とは思えません。

順序としては一番最後なのですが、limiterで上げたレベルで
聞きたいので、真っ先に上げちゃいます。
(他のエフェクターはby pass)
out put =-0.3
trimは、メーターを見ながら、かかりすぎないように
かけます。

weiss EQ

7bandのdigital EQ(Linear Phase EQ)です。
まず、全体的にトラックを聞いて、mixing
ではケアできなかった問題点についてcut
して行きます。Low End, Mid Low(311Hzあたり)、
4k 5kあたりのシンバルが痛いとこ、メイン楽器
がキレイに聞こえていない帯域をカットします。
ちょっと聞こえが悪い(ベースとか)楽器がある
場合は緩やかにBoostしたりします。

Weiss DS1


色んな使い方があるので一言では言えませんが、
side chainを使い、特定の帯域にコンプをかけます。
混み合っている帯域だったり、hiやLowが強すぎる
時とかに使います。
時にはM/Sモードで使う事もあります。

STC8


主に、音圧を揃えたり、Vocalのtake careをしたりする
時に使います。左右バラバラに設定できますが、そうすると
あまりにも変化が大きくなってしまうので、
"stereo link"はいつもonと言っても過言ではありません。
Attack/Release timeにプリセットがあるのが
魅力的です。もちろん手動設定可能。
EQと一緒に使う事がほとんどで、
コンプがかかって欲しい帯域はEQをBoost、
かかってほしくない帯域はCutします。
Low, Low Endにはかかってほしくないのでいつもcut
しています。

NSEQ(Minimum phase EQ)

左右分けてEQを設定できます。
Tube/FETとキャラクターを選択できます。
Compがかかったあと、エナジーが薄れた
帯域をリフトアップさせたり、右または左のみcut/boost
したい時などに使います。
左右同じ設定にするときもあるし、聴いた感じで
左右バラバラに設定したりもします。それも
時と場合によるし、かける順番も時と場合に寄ります。

TC6000

前述したようにlimiterが主ですが、
時として、更にEQで特定の帯域をケアしたいときは
EQを使います、利点として、かなり狭いQを設定できます。
Reverbはたまに使いますが、トラックを聴いた感じで
判断します、リバーブをかけた時は、かけないときより
3dBくらい落とさないとすぐpeakしちゃいます。

ここで、DAW(Sound Blade)にバウンスするのですが、
バウンスした後に、プラグインで更にEQやマルチドバンド
コンプで調整することもあります。

これも状況次第なんですが、学校のプロジェクトタイムは
短いので、なかなかここまではいきません。