You Tube用のマスタリング

音楽はオンライン配信が増え、CDマスタリングと同様の方法でのマスターが望ましくない状況が増えた。WAVまたはLosslessのフォーマットで配信する時はピークレベルより-0.3dB下げた従来通りの方法でファイルを渡してそれをそのまま配信されたとしても、それでよいのだが、オンライン配信でUpしたオーディオが自動的に圧縮される事でピークリミットを越え、音割れしてしまう可能性が増えている。


最近は、CDのプロモーション用にYou Tubeビデオを作る人が増えている。You Tubeの場合は、高画質(720p, 1080p, 1440p (2K), 2160p (4K) )を選んだ場合、オーディオは 384 kbpsで再生される。低画質(恐らく長い分数のビデオ用、360p と480p)は、128kbps(かつてのi Tunesと同じくらいの劣化フォーマット)で再生される。この自動コンバートにより、音圧が高い音源に音割れが目立つ。最近は、RMSレベルを調節するようになったみたいで、音圧が高い音源は自動的にただピークリミットを落とした状態で再生されているようだが、一度自動コンバートにより、音質劣化ではなく特定の音域がピークレベルを超えたもの(聴覚上音圧が高い程音割れがわかりやすい)をただレベルを下げるだけなので、音割れが聴覚上明らかに残るリスクを伴う。


You Tubeはダウンコンバートだけを行う為、画像はMovでuploadし、オーディオはダウンコンパートされることはやむをえないので、音割れしない状態でマスターすることで、自動コンバートに寄る音割れを防ぐ事が出来る。できれば、このRMSレベルに自動調節の対象にならないようマスターされている事が望ましい。ピークリミットのレベルは-1.0dBFS程度にとどめておくのが安全と言われている。


これは音楽目的でなくとも、商用ビデオ、映画のトレイラー、コマーシャル、全てに言える事だと思う。理想的な音質で再生できない状況であっても、劣化を最小限にとどめる方法を取った方がよいだろう。