音圧競争 Loudness War

「音圧競争」の記事や文献は結構沢山ある。有名なレコードのリマスター版が、どれだけ音圧が上げられ、同じレベルで聴いた時に(とは言っても売られているCDを一般の人が同じレベルで聴き比べるなんてことはわざわざしないと思うが)どれだけ音楽的要素の重要ポイントであるダイナミックスレンジが失われているかをわざわざ波形の写真をのせたり、You TubeにUPされているものまである。


音圧上げはそもそも、レコード会社がメジャーなCDのマスタリングエンジニアに強制し、商業的理由で便乗したおじいさんがたが始めたことではあるのだが、AESで音圧とセールスは相関性が全くないので、売れるレコードを作るのに音圧の高いマスタリングが必須というレコード会社の言い分は矛盾しているという主旨の内容が、有名マスタリングエンジニアより
発表されている。ここは本当にまっ二つに意見が別れていて、商業的理由で音圧を上げて、それを良いサウンドだ!と心からそう思っているかは別として言及するエンジニアと、音が大き過ぎていい事はないのだからよい音を作るべきだ!というエンジニアと両方居る。


私個人は、自分の1st Albumを作った頃は、自分は演奏家、作曲家、編曲家として関わったので実はすべて当時のエンジニアにお任せであった。また、音圧の高い、音の悪いCDを聴いて育ったので実を言うとリスナーとしては全く拘っていなかったのである。なので、音圧をどこまで消費者が意識しているかはあまり期待をしていなかったのだが。


アメリカでは結構有名な話だが、メタリカのアルバム"Death Magnetic"は、マスタリングエンジニアが関わったCD版が音が潰れすぎている。Guitar Hero(ゲーム版)の方がまだ音がいいと、マスタリングエンジニアを名指しでメタリカのファンが文句を言っているという文献まである。
http://www.nme.com/news/metallica/39816#2


相変わらずTV CommercialではL2を全てのトラックに自動的にさすという乱雑な処理がなされているので残念だが、せめて、CD版に関しては、もう少し音楽的なものが増えて行く時代がこれからくればよいのだが。