マッセンバーグクリニック1

M-works studiosでは、半年に一回、あの有名エンジニア
George Massenburg氏を迎え、チーフのJonathanと、
バークリーの学生向けにクリニックを行います。
今回は、11月15日に行われました。(ご報告遅れてすみません)


毎回、テーマは少しずつ異なりますが、
ジョージが何かしらミックスしたファイルを持って来てそれを
その場でジョナサンがマスターするのは毎度同じ。


今回は、クラシックの歌劇のようなスタイルの音楽でした。


最近のポップスのような音楽とクラシックのような音楽では
ミックスもそうですが、マスタリングはとても異なります。
どのように違うかをジョナサンに説明してもらったところ、


ます、ダイナミックスレンジ。
ポップスでは、天井をついてしまいハードなリミット
をかけるくらいに音圧を上げるので
ダイナミックスレンジはあまり感じません。
しかし、クラシックで同じようにマスターするなんてことは
さすがにあり得ません。


一番大きい音(クライマックスとなる部分)が天井を
つくかつかないくらいにし、ダイナミックスレンジを
なるべく残します。


作業として大きく変わってくるのは、まず、
コンプレッサーのアタックタイム。
マスタリングではアタックタイムはミックスに比べて
通常slow attackに設定しないと、コンプレッサーの
効き過ぎにより、トランジェントに影響を及ぼし、
ものすごく潰れて聴こえてしまうので、コンプレッサー
の使い方はかなり慎重にやらなければなりませんが、
クラシックの場合は、ポップスよりも更にslowに
コンプをかけるのが原則です。


アップテンポの曲でも、だいたい40msくらいなのですが、
クラシックの場合は、100msあるいはもっと、
すごく遅い曲だと300msくらいまで行くことも
あるかもしれません。