マスタリングエンジニアのリサーチ

エンジニアのクレジットを探すのは多少困難な事があるリサーチなのですが、
今回のマスタリングのクラスのお題は、
クラスでそれぞれ一人マスタリングエンジニアを選び、その人の手がけた
アルバムを3枚探し出して、聞いて、どういう共通点、違いがあるか
リサーチするというものでした。

私は、Ted Jensenという、NYのstarling studioのチーフエンジニア
を選びたかったのですが、クラスメートに取られてしまったので、
Scott Hullという人を調べることになりました。

以下、今回は一人の視聴者としてではなく、マスタリングのみに焦点
をあて、自分がどう感じたかを綴って行きます。

CDは、学校のMedia Centerで借りてその場で聴いたのですが、
この、Media Center、CDを借りて家にもって帰ってはいけない、
コピーしてはいけない、(まあここまではわかるけど)、
メディアセンター内での試聴でさえ1枚ずつしか借りては
いけないというナンセンスな決まりがあり、泣く泣く1枚ずつ
持って行く事に、、、。

なので、自分の手持ちのCDと比較してどうかという事をレポする
事にしました。

まず、私がスタジオによく持って行くCDは、Kula Shakerの"Strange Folk"と
いうアルバムで、
Mastered by John Dent at Loud Studio
だそうです。

私がこのアルバムを選んでいる理由は、比較的年代が新しく(2007年)、
音楽的に自分が馴染みやすいという理由です。

このアルバムですが、ヘッドホンで聴くと、少々左右のギターのHiが
強く感じますが、ヘッドホンでHiを感じるのは当たり前。
スピーカーで聴いても感じない程度のHiで、音楽的なエナジー
考えれば必要な領域なので問題はありません。

さて、メインのScott Hullさんのアルバムです。

1枚目 Herbie hancock/ New Standards

New Standard

New Standard

とてもベースが太いです。センターにしっかりとステイしています。
しかし、Lo Endはかなりすっきりしていて、最近のpopsのように
Loがぐちゃっとなった感はないです。
耳の痛いHiの領域は本当に少ないです。
メイン楽器であるピアノに関しては少々Hiが出ています。

2枚目 Maceo Parker/Funk Overload

Funk Overload

Funk Overload

ベースは前述のHerbie Hancockのアルバムよりは大きな領域は
占めていませんが、私の標準であるKula Shakerよりはやはり
太く、しっかりとセンターにステイしてて、同じくLo Endの
take careはしっかりしています。
メインの楽器のSaxのリズミックなフィールに多少のHiが出ていて、
ヘッドホンで聴いた時に耳が痛いか痛くないかのギリギリなとこ
をついていますね。普通に聴いていれば耳が痛くない、
痛い成分は、本当に少ないでしょうね。

3枚目 Steely Dan/ Two Against Nature

Two Against Nature

Two Against Nature

メインであるボーカルには男性ボーカルだからか、
HIは聴こえませんね。男性ボーカルがかなりMIdなので、
それをきちんと聴こえさせる為か、他の楽器がきっちりと
Hi,LoにMix上振り分けられています。この辺りの過程は、
ミックスなのかマスタリングなのか聴いただけではわかりにくい
のですが、恐らく、両過程でそれが意識されて作られていると
思います。
左右のギターのfrequency Rangeは高めで、Hornsも高めですが、
私個人としてはギターはもうちょっと低くて、多少はVocalとかぶっていても
左右なのだからいいんでは?と思います。
そのため、ちょっとギターとHornsは、耳が痛い印象を
受けますが、RhythmicなFeelに音楽的勢いをつけるという
意味ではworkしていると思います。
Funkなスタイルだからか、スネアはちょっと痛い感じはしますが、
元の音よりは多分、緩やかになっていると思います。
このアルバムの音は本当によくできているとは思うのですが、
よくできすぎていて好きではないです。